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個性を持った みんな大事な こどもたち Vol.1

なぎら
2012.12.10

なぎらです。

7年前から「子育て支援情報誌」で連載していました、
私の子育て体験記(学習障害LDの息子と歩む日々)をこちらで転載します。

今、読み返すと当時は本当に悩んでいたのだな~としみじみ感じます。
文字に残していたおかげで、現在の自分と息子の成長もはっきりと感じます。
今日と同じ明日はない・・・
未来は自分の手で変えて行ける・・・

その第一幕として、悩み苦しんでいた Vol1.「始まり」からお伝えします。

============以下、転載============

みなさんは、Personalityとは何だと思われますか?
辞書で調べると、「その人の持ち味。個性。人柄。」となっています。
『その人の持ち味』、あなたの大切なこどもの持ち味を、
じっくりと考えられたことはありますか?
ただ何となく、走るのが早いとか、落ち着きがないとか、のんびりしているなど、
持ち味というよりも目に見えている現象を、
個性と感じていることの方が多いのではないでしょうか。
私自身もこどもの事を十分わかっていると思っていました。
そう2006年の春までは…

2006年の春、長男が中学校に入学しました。
とてものんびり屋で、楽天的でいつも笑顔いっぱいの明るい息子ですが、
勉強はあまり得意ではありませんでした。
小学校の頃から、漢字練習は大の苦手、図工も苦手、体育も苦手、
でも算数や理科や社会は大好きでしたので、
これといって深く勉強のことで悩むことはありませんでした。

しかし、中学校に入れば勉強は難しくなるし、定期テストがあるので、
今のままではマズイだろうと思い、私も一から勉強するつもりで、
息子の机の横に自分の仕事用のデスクを持ち込み、
一緒に勉強を始めることにしました。

初めての中間テストが近づいてきました。
私は息子に単語帳の作り方や、暗記の仕方など細かく指導しました。
そして一緒にテスト勉強をしたのですが、
そこで驚愕の事実に直面することになったのです。

息子は、英単語のスペルが全く覚えられないのです。
リスニングやスピーチはできるのですが、読み書きができないのです。
何度も何度も何度書いても…
他の教科も同様に、理解はできるのに模擬テストをすると全くできないのです。

中間テストは悲惨なものでした。
息子はかなり落ち込み、そして私も何故?何故?という疑問だらけで、
精神的に追い込まれていきました。

そして入学式の日に紹介されたスクールカウンセラーさんのことを思い出し、
思い切って相談をすることにしました。

息子が生まれた時から、現在に至るまでのたくさんの出来事や想いを、
約2時間聞いていただきました。
私は話ながら涙が溢れ、自分の中にあったものを全て出し切ることができました。
話が終わると、スクールカウンセラーさんから
「素晴らしい息子さんをお持ちですね。
その息子さんを育てられたお母さん、あなたもとても素晴らしい方ですね」
という言葉をいただきました。
そして続けて、
「息子さんには検査をされることをお勧めします。
もしかしたら何かの学習障害ではないかと思いますので。」とアドバイスを受けました。

「学習障害?」私は今まで考えたことがありませんでした。
私は自分自身の仕事が忙しく、あまり息子を構ってやれなかったので、
勉強が苦手になったのだと思っていたのですから。

私は、息子の個性を勘違いしていました。
のんびり屋で勉強が苦手…これは個性ではなく、目に見えている現象だったのです。
息子本来のPersonalityに全く気づいていなかったのです。

そして私は息子と共に、検査を受けることを決心したのです。